『やりたい』が、地域を動かすビジネスになる。——O-BUCs入賞者が語る、挑戦の舞台裏

大阪信用金庫が主催する学生ビジネスプランコンテスト「O-BUCs(オブックス)」。
「学生のアイデアを、単なる夢物語で終わらせない」という熱い想いのもとに開催されるこのコンテストからは、多くの若き起業家たちが羽ばたいています。
今回は、2025年11月に開催された第4回のコンテストにて、優秀な成績を収めた3名の入賞者にインタビューを行いました。
彼らがビジネスプランコンテストへの出場を通して何を得て、どう成長したのか。これから挑戦する方へのメッセージとともに、リアルな声をお届けします。
(取材・執筆:アトリア合同会社)
コンテストで終わらない。ビジネスを加速させる「実利」がここにある

越智 健心さん(近畿大学 経済学部 4年生 / TRASS株式会社 代表取締役)
プロフィール
京都府福知山市出身。家業にてインフラ建設に従事した後、鉄道のメンテナンスに携わる。 インフラは造るだけでなく、日々のメンテナンスが重要であることを知り、点検のデジタル化を担う原案を構想。現在はインフラ点検を効率化するWebサービスを開発・提供している。
事業について
インフラメンテナンス、特に橋梁などの点検業務を効率化する「TRASS」を展開。深刻な人手不足とアナログな業務フローによる現場の負荷に苦しむ土木業界を、点検作業のデジタル化で救う。
——そもそも、なぜ「メンテナンス(点検)」という領域に特化して起業しようと考えたのでしょうか?
越智さん:もともと家業が建設業ということもあり、インフラを作る・整備するという環境は身近にありました。しかし、実際に現場で働いてみると、メンテナンス業界が驚くほどアナログであることに気づいたんです。紙の図面に書き込み、事務所に戻って手作業で転記する。現場は疲弊し、本来必要な補修工事にまで手が回っていない現状があります。この「土木ど真ん中」の課題をテクノロジーで解決したい。それがTRASSを立ち上げた原動力です。
——事業を運営する中で、ご自身のマインドセットにも大きな変化があったとお聞きしました。
越智さん:正直に言えば、最初は事業で成功したいという自分本位の気持ちが強かったんです。ただ、それだけではうまくいかないことに気がつきました。「自分のためだけ」なら、しんどい時に諦める理由になってしまうんですよね。
そこから猛烈に本を読み、たくさんの方の話を聞く中で、最終的に「お客様のために会社は存在する」という原理原則に立ち返りました。今は、目の前のお客さんが喜んでくれることが、結果として業界の前進や国民の安全に繋がると確信しています。まだ道半ばですが、TRASSが業界の「当たり前」のインフラになる未来を本気で目指しています。
——そんな越智さんから見て、O-BUCsならではの魅力はどこにありますか?
越智さん:一言でいえば、他のコンテストとは比較にならないほど「実利」がある点です。単に賞状をもらって終わりではなく、むしろ受賞後に手厚い事業支援を受けられます。起業家を志す学生なら、出ない手はないんじゃないでしょうか。「ピッチとは何か」という本質的なレクチャーから手厚くサポートしてもらえるので、たとえ初心者であっても、挑戦することで得られるメリットしかないと思います。
お堅いイメージを覆す温かさ。想いに寄り添う人たちとの出会い

作野 充さん(立命館大学 食マネジメント学部 4年生 / 株式会社OhMyFamily 代表取締役)
プロフィール
兵庫県明石市出身。プロのサッカー選手を目指し、小中高の18年間は練習に明け暮れる日々を過ごす。20歳の時、怪我がきっかけでサッカーの道を諦めて起業の道に進み、2年間の大学休学中に全国2,000組の家族と対話。子育てや家族の日常的な悩み、不安の山が親の孤独・虐待・離婚につながることを知り、2024年にいつでも気軽にアクセスができる伴走支援サービスをリリース。
事業について
子育て世代の「孤立」を防ぐための相談・サポートサービス「チルディッシュ」を運営。ママ・パパは24時間いつでもLINEを使って子育ての専門家に相談ができる。同サービスは、専門家の「役に立ちたい」という想いを実現する機会創出にもつながっている。
——家族や子育てという非常にパーソナルな領域を扱う事業ですが、ビジネスプランコンテストの限られた時間の中で内容を伝える際、特に意識されたことはありますか?
作野さん:族の問題や育児のモヤモヤは、世代や性別によって課題感が全く違いますし、深刻さが伝わる人とそうでない人の差が激しい分野です。だからこそ、「誰に話すか」によって内容を細かくチューニングし、どうすれば今の孤独な育児の現状を自分事として捉えてもらえるかは常に考えていました。
今回のO-BUCsでも、審査員の方々のバックグラウンドを想像しながら、一番伝わる言葉を選び抜くプロセスにかなり苦心しましたね。
——O-BUCsの雰囲気は、他のコンテストと比べていかがでしたか?
作野さん:良い意味で「お堅い金融機関」のイメージが覆されました。大阪信用金庫のみなさんが本当に温かくて、本番当日も緊張を解きほぐすようなムードを作ってくださいました。

何より驚いたのは、審査員としてお会いした方が私たちの事業に深く共感し、事業パートナーになってくれたことですね。また、セミファイナリストに選出されてからは複数のプログラムが用意されていて、たくさんの方に相談できる環境があったのも印象的でした。
——人との繋がりが大きな収穫だったのですね。
作野さん:そうですね。特に学生は人脈が少ないのが課題になりがちですが、O-BUCsに出ることで、自分の想いに寄り添い、全力で応援してくれるプロフェッショナルの方々と出会うことができました。客観的な視点をもらうことで、私たちのサービスをどう普及させるべきか、本質的なブラッシュアップができたと感じています。
初心者でも大丈夫。0から1を形にする『徹底伴走』の底力

安保 遼太郎さん(大阪教育大学 教育学部 4年生 / 株式会社FODIS 設立準備中)
プロフィール
兵庫県宝塚市出身。二条城の美しさに見惚れて写真に目覚め、中学生ごろからカメラを携え日々の記録をする。大阪芸術大学入学後、写真教育への探究を深めるべく大阪教育大学へ編入学。教育を学びながら、写真が持つ連続性を追求する。
事業プランについて
SNSを利用する児童や生徒のメッセージに、攻撃性や誤解のリスクが含まれていないかAIで判断しフィードバックを行う機能を備えた「思いやりを育てるSNS学習アプリ」を開発。アプリを標準的に使えるよう広めることで、児童生徒が抱えるいじめや不登校などの防止を図る。
——安保さんは、大学の講義中に浮かんだアイデアを形にされたとか。
安保さん:そうなんです。講義中のワークショップで、子どもたちがSNSの使い方を学べるよう、AIがコメントの危険性を事前にフィードバックする教育ツールを提案したのが始まりですね。そこから、コンテンツの制作に励んだり、特許を申請したり…私なりにプラン実現に向けた準備を進めてきました。
ただ、事業として粗削りな部分があったのも事実です。そんな中、O-BUCsに応募をして、大阪信用金庫や先輩起業家の方からアドバイスをいただきながら、事業プランをブラッシュアップしていきました。手厚いサポートのおかげで、最終的には「この事業を実現できそう!」と思えるようになったんです。
——具体的にどのようなサポートが印象に残っていますか?
安保さん:実際に事業を進めている方や金融機関の目線から、事業アイデアの壁打ちをしていただけたのが大きかったです。些細な相談からマネタイズ方法、事業の方向性そのものまで、的確なアドバイスをもらえました。この試行錯誤があったおかげで、私の事業アイデアが磨き上げられたのだと思っています。

——参加者同士の交流も深かったようですね。
安保さん:こうしたイベントは、ライバル同士でピリピリしがちなイメージがありますが、O-BUCsは登壇直前、参加者全員で「頑張ろう!」と円陣を組む一幕がありました。コンテストが終わった後も、切磋琢磨し合える仲間が得られたことは一生の財産です。

——O-BUCsで出会った仲間と、その後も交流はありますか?
安保さん:今でも連絡を取っている仲間がいます。彼もO-BUCsで起業に興味を持ったようで、大阪府のアクセラレーションプログラムにも参加すると聞きました。実は私もそのプログラムに申し込んでいましたので、とても驚きました。
「やりたい」を持ったみなさんへ——入賞者からのメッセージ
最後に、O-BUCsへの応募を検討されている学生のみなさんへ、3人から熱いエールをいただきました!
越智さん:学生という特権があるなら、出ない手はありません。ピッチのイロハを学べるだけでなく、その後の活動に直結する『得しかない』場所です。ぜひチャレンジしてみてください。
作野さん:人脈やスキルがなくても大丈夫。あなたの想いを誰かに聞いてもらうだけで、新しい視点や可能性が必ず広がるので、前向きにチャレンジしてほしいです!
安保さん:初心者でも、アイデアが粗削りでも大丈夫。手厚いサポートがあるから、最後には自分の世界が変わります。あなたの素直な想いをぶつけてみてください。
「アイデアを形にしたい」「学生のうちに、一歩踏み出してみたい」と思っている方にぴったりのビジネスプランコンテスト「O-BUCs」。次回の開催にご期待ください!
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